PIERRE HUYGHE by Pierre Huyghe (HATJE CANTZ)
フランス人アーティスト、ピエール・ユイグ(Pierre Huyghe)の作品集。2026年5月から9月にかけてバーゼルの「バイエラー財団美術館(Fondation Beyeler)」で開催された展覧会に伴い刊行された。作者は最もラディカルな現代アーティストの一人だと言えよう。その多岐にわたる作品は、現実や意識に対する我々の認識に問いを投げかける、思弁的なフィクションとして構想されている。
本書は、展覧会に際して刊行されたものではあるが、従来の作品カタログとは異なる。作品を記録的に概観するのではなく、独自の魅力に満ちた「精神の旅」を提示する。近作の図版やリサーチに加え、スケッチ、ノート、テキストの断片を組み合わせ、創作のプロセスを反映する、さまざまなアイデアとイメージが集積する空間を作り出している。そこを自由に辿りながら、作者の複雑な世界を探究することができる、「視覚的アーカイブ」として作られている。
本展は同美術館のために特別に構想されたものであり、新たに制作された作品と、近年の主要作品を併せて紹介する。作者はフィクションと現実をシームレスに融合させ、既存の境界を越えていく作品で知られている。その作品は、映画、テクノロジー、生物学、物理学、デジタルなど、さまざまな領域が交差する地点から生まれ、時間の経過とともに新たな主体性や感覚が生まれ、変化していく、生きたダイナミックな状況をつくり出す。本展は、作者が生み出す魅惑的で予測のつかない世界を探究する機会となるだろう。
英語、ドイツ語併記。
Art as a Living Organism
Pierre Huyghe is considered one of the most radical contemporary artists. His extensive works are conceived as speculative fictions challenging our perception of reality and consciousness. This publication, released on the occasion of the artist’s solo exhibition at the Fondation Beyeler, is not a classical catalogue of works. Instead of a documentary overview, it offers a unique and fascinating “mental journey.“ The book combines images and research on recent works with sketches, notes, and text fragments. A cluster of ideas and images in which we can navigate through, reflecting the creative process. A visual archive exploring Huyghe’s complex universe.