FIGA by Kara Walker
アメリカ人アーティスト、カラ・ウォーカー(Kara Walker)の作品集。モニュメントのように巨大な砂糖製のスフィンクス作品「Figa」の「手」の部分を収録した一冊。
本書に収録された作品「Figa」はサイズと象徴性、いずれにおいても壮大な彫刻作品であり、2017年に「DESTE財団(DESTE Foundation)」の「イドラ・スローターハウス(Hydra Slaughterhouse / ※註)」に設置された。かつては2014年にブルックリンの「ドミノシュガー工場(Domino Sugar Refinery)」で展示された巨像のインスタレーション「A Subtlety」の一部であった。「Figa」はアナモルフィック・スフィンクスの手の部分であり、豊穣と「ファック・ユー」の両方を表す「フィグ・サイン」の形に握られている。本書は「ドミノシュガー工場」の作品とイドラに渡ったその末裔「イドラ」を訪れ、「A Subtlety」と「Figa」を批評した考察である。オランダ出身、アメリカを拠点に活動するフォトグラファー、アリ・マルコポロス(Ari Marcopoulos)によるイドラの手の彫刻のインスタレーションを広範に撮影した写真によるドキュメントに、アメリカ史における民間伝承、神話、そして黒人としてのアイデンティティの力を描いた作者による7つの寓話を収録。一冊の本として、そして大盛況であった展覧会、その両側面を記録している。
編集をアートブックを専門としたエディトリアル・コンサルタントのカレン・マルタ(Karen Marta)、序文を実業家でありコレクターのダキス・ジャヌ(Dakis Joannou)、序論とテキストを作者が手がけている。写真は全てアリ・マルコポロスが手がけ、本書のデザインにも携わる。
※註 イドラ島にある屠殺場がDESTE財団に譲られ展示スペースとなった施設。直訳すると「イドラ屠殺場」。
Kara Walker’s (born 1969) Figa, a sculpture monumental in both size and symbol, was installed at the DESTE Foundation’s Hydra Slaughterhouse in 2017. Once a part of Walker’s colossal 2014 installation A Subtlety at the Domino Sugar Refinery in Brooklyn, Figa is made up of the hand piece from the anamorphic sphinx that gestures a “fig sign,” at once both a symbol of fertility and a “fuck you.” In making a return to the site of the Sugar Factory work and the work’s progeny in Hydra, this book offers critical insight on A Subtlety and Figa. Through extensive photographic documentation of the installation of the hand sculpture in Hydra by Ari Marcopoulos and seven fables written by Walker illustrating the power of folklore, mythology and black identity across the history of the United States, Figa in book form captures a blockbuster exhibition in two parts.