南アフリカ人アーティスト、イグシャーン・アダムス（Igshaan Adams） の作品集。本書は、2024年6月から11月にかけてイギリスの西ヨークシャー州にある美術館「ヘップワース・ウェイクフィールド（Hepworth Wakefield）」で開催された展覧会に伴い刊行された。

ケープタウンのボンテハウエルで生まれた作者が作り出す芸術は、アイデンティティ、文化、宗教の複雑さへと我々を誘う。展覧会および本書では、テキスタイル、ビーズ、ファウンド・オブジェクトなどを使用した独自のスタイルを持つ作品を掘り下げている。

同美術館のディレクターであるサイモン・ウォリス（Simon Wallis）がその生い立ちと活動を紹介し、美術館のキュレーターであるマリー＝シャルロット・キャリア（Marie-Charlotte Carrier）とヨハネスブルク在住のライターでありフォトグラファーのンゴポレン・モロイ（Nkgopoleng Moloi）が、革新的な技術と、作品における動きや記憶にまつわるテーマを分析するエッセイを寄せる。本書にはタペストリーが美しく収録されており、個人的な物語とあわせて共同体の物語を絡ませる作者の能力が明確に現れている。

南アフリカを代表する振付師であるアルフレッド・ヒンケル（Alfred Hinkel）によるエッセイは、個人的な逸話を交えること深みを増しており、あわせて収録されている作者へのインタビューは、創作過程についての洞察を与える。本書は、作者の変容的な芸術活動を通して文化的な隔たりを埋めていくその深いまなざしを我々にもたらしてくれる。

Igshaan Adams: Weerhoud explores the intricate and poignant works of South African artist Igshaan Adams. Born in Bonteheuwel, Cape Town, Adams's art navigates the complexities of identity, culture, and religion. This publication, accompanying his exhibition at The Hepworth Wakefield, delves into his unique use of textiles, beads, and found objects.

Simon Wallis introduces Adams's background and artistic practice, while essays by Nkgopoleng Moloi and Marie-Charlotte Carrier analyse his innovative techniques and the themes of movement and memory in his work. The book features stunning illustrations of Adams's tapestries, revealing his ability to intertwine personal and communal narratives.

An essay by Alfred Hinkel adds depth with personal anecdotes, and an interview with Adams provides insight into his creative process. Igshaan Adams: Weerhoud offers a profound look at an artist who bridges cultural divides through his transformative art practice.