ドイツ人フォトグラファー、ヴェルナー・アマン（Werner Amann）の作品集。本書のタイトルはドイツ語で「明日はない（No Tomorrow）」を意味し、1990年代初頭のパーティーやレイヴ、営業を終えたクラブでのアフターアワーズ・パーティーで撮影された写真を収録する。作者が捉えた表情は、恍惚感や、自律・自由を彷彿とさせる輝きを描き出している。写真はベルリン、フランクフルト、ドルトムント、ニューヨーク、チューリッヒ、パリ、リッチョーネなどの都市で撮影され、「Omen」（フランクフルト）、「Tresor」「E-Werk」（ベルリン）、「Limelight」 「Tunnel」「Sound Factory」（ニューヨーク）などのクラブや、「Mayday」「Berlin Love Parade」などドイツ国内を中心としたレイヴイベントでの様子を記録している。

小説家であり、文学・社会学・ポップカルチャー・メディア論を専門とするライフ・ラント（Leif Randt）により本書は制作されており、著者自身による短いテキストも寄稿。撮影から四半世紀経った今の視点から当時を振り返っており、その歴史的な瞬間に対して抱いた理解と親しみの感覚を永続的に我々に持たせる内容となっている。

The early 1990s: Werner Amann’s Kein Morgen (No Tomorrow) brings together photographs of parties, raves, and afterhours clubs. The faces the photographer captures reflect the ecstasy of a moment of awakening, a glimmer of autonomy and freedom. The pictures were taken in Berlin, Frankfurt, Dortmund, New York, Zurich, Paris, and Riccione, in clubs like Omen, Tresor, E-Werk, Limelight, Tunnel, and Sound Factory as well as raves such as Mayday and the Berlin Love Parade. Leif Rand’s short texts for Kein Morgen look back at this period from the vantage point of today, a quarter of a century later. We are left with an abiding sense of a historical moment of understanding and affinity.