SNOWMAN by Peter Fischli & David Weiss
スイス人アーティストデュオ、ペーター・フィッシュリ & ダヴィッド・ヴァイス(Peter Fischli & David Weiss)の作品集。彫刻作品「Snowman(雪だるま)」を1987年から今日に至るまで、その軌跡を描いた1冊。1987年、キュレーターのキャスパー・ケーニッヒ(Kasper König)が両作者を含む5人の作家を招いてドイツ・ザールブリュッケンにあるレーマーブリュッケ発電所で作品展示を行った。ふたりは、発電所が生み出す電気を利用した作品として、ガラス製の冷凍庫内の冷却システムによって生成・維持される実際の雪でできた雪だるまの彫刻を提案した。この作品は、1989年に常設作品として制作された。2008年、ミネアポリス州の「ウォーカー・アート・センター(Walker Art Center)」のために再設計され、さらに2016年には、その設計に従ってシカゴ美術館で展示され、2017年に「サンフランシスコ美術館(San Francisco Museum of Art)」よりコミッションされ、作品が改作された。
本書は、その彫刻作品の各展示と発展の過程をペーター・フィッシュリとアメリカ人キュレーターのカーラ・メインズ(Cara Manes)が手がけたヴィジュアルエッセイにて記録している。同時に、本書に収まっている注釈付きのコラージュは、18世紀以降、雪だるまが「怪物」から「かわいい友人」へと意味が変化していったこと、また、この35年間で発電が火力発電所から太陽光発電へと変化したことについて解説している。このコラージュには、彫刻の設計図、模型、製作図、様々な場所、時間帯、状態での彫刻の記録写真、雪だるまの世界における幅広いトピックに関する参考資料や研究資料が含まれている。
This artist's book tells the story of Peter Fischli and David Weiss's Snowman, from 1987 to today. It chronicles the sculpture's various stations and development in the form of a wonderfully surprising picture essay. At the same time the annotated collage illustrates the transformation of the snowman's cultural meaning since the 18th century, from "bogeyman" to loveable friend, as well as how the generation of electricity has changed in the last 35 years, from thermal power station to solar energy.