前衛芸術運動「フルクサス（FLUXUS）」史を語り、現在に伝えるべく作られた作品集。「フルクサス」は1962年に始まり勢いが盛んになっていったが、そこまでの道のりを辿ると、さらに10年前の1952年に「ブラック・マウンテン・カレッジ（Black Mountain College）」でジョン・ケージ（John Cage）による活動がきっかけで始まっている。1960年代に入ると、ヨーロッパ、アメリカ、日本の間で言語学的かつ形式的な実践や活動が現れ始め、それまで受け入れられてきた美的慣習の外側にある、革新的なものの捉え方が形作られていった。本書は、「フルクサス」における詳細な探求や物語を通し、この驚くべき戦後期のストーリーを現代に生きる我々へと伝える。掲載されている資料は、ヨーロッパで最も「フルクサス」と重要な結びつきのあるコレクションの一つである「ルイージ・ボノット・コレクション（Luigi Bonotto Collection）」が所蔵する図像とアーカイブに依るものである。

編集は、イタリア人アーティスト、作家であり、「フルクサス」、「シチュアショニスト・インターナショナル」の活動家であるジャンニ・エミリオ・シモネッティ（Gianni Emilio Simonetti）が務める。

Fluxus was a cultural, visual, and social adventure that began in 1962. But the journey to that point started a decade earlier, in 1952, thanks to John Cage at Black Mountain College. As the 1960s progressed, linguistic and formal experiments emerged between Europe, the United States, and Japan that formed an innovative paradigm outside of the accepted aesthetic conventions up until that time. Through narratives and detailed explorations, this volume tells the story of this remarkable post-war period, bringing it into the present moment. The book relies on iconographic and archival materials belonging to Luigi Bonotto, one of the most relevant Fluxus collections in Europe.