ベルリンを拠点に活動するフォトグラファー、ベニー・ジュリアン・ゲイ（Bennie Julian Gay）の作品集。本作は、それぞれ女性の目が描かれた50枚のCG画像で構成されている。画像に描かれている目は実在するものではなく、デジタルレンダリングの産物である。その目は誰のものでもなく、同時に誰のものでもある。特に何かを見ているわけではないようだが、その視線はすべてを包み込み、我々すべてに向けられているかのようである。目は実際には誰にも施したことのないような化粧で彩られているが、これまで用いられてきたあらゆる類の化粧を表現している。「テキスト・トゥ・イメージ（Text to image）」と呼ばれる人工知能（AI）ソフトウエアを使用しており、それぞれの画像は一行のテキスト構成で生成されたものである。その短いテキストが、この一連の目のシリーズと、答えられない質問を生み出したのである。

本作は、これからの活躍が期待される才能あるアーティストのプロモーションと支援のための国際的非営利プラットフォーム「un/fund」の惜しみない協力によって刊行された。

The collection titled "Expressions" consists of 50 computer-generated images, each featuring a female eye. The eyes portrayed in these images are not real, but rather a product of digital rendering. They do not belong to any particular person, yet at the same time, they belong to everyone. Although they appear to gaze at nothing in particular, their gaze is all-encompassing, directed towards all of us. The eyes are adorned with makeup that was never actually applied by anyone, but represents every type of makeup that has ever been used. Using Artificial Intelligence software called "Text to image," each image is generated by composing a line of text, which led to a series of eyes and a set of unanswerable questions. With the generous support of Un-Fund.