ENCYCLOPEDIA OF THINGS by Elisabeth Smolarz
ポーランド出身でニューヨークを拠点に活動する写真家、キュレーター、教育者、ビジュアルアーティストであるエリザベス・スモラーツ(Elisabeth Smolarz)の作品集。本書は、2020年にアメリカ・ニュージャージー州の「Visual Arts Center of New Jersey」にて開催された展覧会に伴い刊行された。
本書は、作者が2014年から2019年にかけて北米、ヨーロッパ、中東、アジアに住む200人の人々を訪れ行なったリサーチをまとめた一冊である。記念品や形見、家宝など、誰もが自分にとって重要な価値や意味を持つタリスマン(お守り)を持っている。このような「モノ」の意義は、静かに、内面的に、そしてしばしば明確に言葉として表現されることなく付与されるが、その重要性を説明するとき、その「モノ」は持ち主自身に関する多くのことを明らかにする。作者はこれらの「モノ」を社会学的、人類学的なプロセスの要素として捉え、世界各地を訪れ、人々が選んだそれぞれの「モノ」に関して語る、という方法でリサーチを行なった。協力者との対話の中で、作者は個々の「モノ」を使い、最終的にその持ち主のポートレイトを作り出すような配置のインスタレーションを展開させている。選ばれた「モノ」を写し出した静物写真に対して、さまざまなライターによる短いテキストがそれぞれ寄せられている。
Whether a keepsake, memento, or heirloom, everyone has their own talismans: objects with a value that is only of significance to their owner. The meaning of such objects gets assigned silently, internally, often without any words being articulated, and yet when we explain their importance, it reveals so much about who we are. Elisabeth Smolarz approaches these objects as elements in a social and anthropological process. She visited 200 people in North America, Europe, the Middle East, and Asia and spent an afternoon with them talking about the objects they had selected. In dialogue with these collaborators, she then developed an installation of the individual objects—an arrangement that ultimately produces a portrait of the person. The photographic still lifes are accompanied by short texts by a range of writers who share their responses to these portraits.