DIAGRAMS: A PROJECT by AMO/OMA
プリツカー賞受賞の建築家であるレム・コールハース(Rem Koolhaas)が率いるスタジオ「AMO/OMA」の作品集。2025年5月から11月にかけてヴェネツィアで「プラダ財団美術館(Fondazione Prada)」が歴史的な宮殿を用いて展開する展示スペース「カ・コルネール・デッラ・レジーナ(CA' CORNER DELLA REGINA)」で開催した展覧会に伴い刊行された。
「AMO/OMA」と「プラダ財団」によって構想されたこの企画は、ダイアグラムを単なる図ではなく、世界を理解・構築・操作するための普遍的なツールであることを示す。データの視覚的コミュニケーションが、意味の構築や理解、さらには操作のための強力な手段であること、そして周囲の世界を分析し、理解し、変容させるための広範なツールであることを探るものであり、同時に人間の知性、科学的・文化的現象、知識の生成と伝達との関係について、対話や思考実験的な考察を促すことを目的としている。
12世紀から現代に至るまで、300点以上の資料が集められており、貴重な文書、印刷物、デジタル画像、映像などが含まれ、さまざまな地域や文化に関連している。資料はテーマごとに展示されており、現代の社会的課題を反映すると同時に、ダイアグラムが分野横断的かつ時代を超えて存在してきたことを示している。展示構成は「現在の緊急性(now urgencies)」という考え方に基づき、建築環境、健康、不平等、移住、環境、資源、戦争、真実、価値といった9つのテーマで構成されている。
また本展では、1970年代以降、建築的ツールとしてダイアグラムを取り入れてきた「AMO/OMA」の設計実践も重要な位置を占めている。コールハースによれば、複雑なアイデアは知的あるいは時に芸術的な喜びであり、それが自身の実践の原動力となってきた。ダイアグラムは空間の形成や新たな建築の定義において極めて有効であり、それなしには実現に近づくことはできなかったという。当時、ダイアグラムは「それが可能であること」を示すための物理的な証拠として不可欠だった。現在ではその役割は変化しているものの、依然として重要な手法の一部であり続けている。
本書は、制作過程の複数の段階を読者に提示するため、あえて未完の状態で構成されている。コードや色彩は共有された基準を参照し、制作に関する有用な情報を示すとともに、ダイアグラムとして機能する。
オランダ人グラフィックデザイナー、イルマ・ボーム(Irma Boom)のスタジオが手がけた本書のブックデザインは、ページは印刷、折り、綴じまでが施されているが、断裁は行われていないため、内部の刷り紙がそのまま露出した状態となっている。各セクションのページに設けられたミシン目は、製本工程における通気のために必要とされると同時に、付属のレターオープナーを用いてページを開封する際のガイドとしても機能する。
The book 'Diagrams' is intentionally unfinished to show readers the various stages of the production process. The codes and colours refer to shared standards, provide useful production data and function as diagrams. The pages have been printed, folded and sewn, but not cut. The printed sheets inside are fully exposed. The perforations in each section's pages are necessary for air circulation during the binding process and also guide the unavoidable cutting of the pages with the letter opener included in the book box.